セルフメディケーション税制のカンタン解説。使いやすいから節税の可能性大!

セルフメディケーション税制のカンタン解説。使いやすいから節税の可能性大!


 ※この記事は2018/2/15に執筆しました。

 

セルフメディケーション税制をご存じですか?

 

どこかで聞いたことがあるけど、自分には関係なさそうだと思っている方も多いかもしれません。

 

比較的使いやすく、ごく一般的なご家庭で申告できる可能性があるため、制度の概要を知っておきましょう。

 

今回は、セルフメディケーション税制についてのお話です。

 

 

 

 

※この記事で書いてあること

セルフメディケーション税制ってなに?
いつからの分が対象になるのか
スイッチOTC医薬品とはなんぞや?
スイッチOTC医薬品の見分け方
誰でも対象になるの?
セルフメディケーション税制は何のため?
医療費控除と大きく違う点
セルフメディケーション税制を申告するにはどうするの?
セルフメディケーション税制の申告に必要な書類
申告用に医療費BOXを作っておくと分かりやすい
確定申告が面倒な人へ

 

 

 

 

セルフメディケーション税制ってなに?

 

セルフメディケーション税制と聞くと何だか難しそうな気がします。

 

カタカナと「税」と名がつくだけで、アレルギー反応を起こしそうですよね。

 

しかし、制度自体はシンプルなものです。

 

市販のお薬代で一定額以上使った人に対し、その年の総所得額から控除が受けられるというものです。

 

所得控除が受けられるとどうなるのかというと、所得税や住民税が安くなるということです。

 

節約家や貯金を考えている方にとっては、お得になるかもしれない制度というわけですね。

 

もう少し細かく言うと、対象となるお薬はスイッチOTC医薬品と呼ばれるもので、対象期間も決められています。

 

次項から詳細を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

いつからの分が対象になるのか

 

セルフメディケーション税制という言葉が聞き慣れないのは、最近始まった制度だからです。

 

制度の施行は平成29年1月で、対象となるのも平成29年1月1日以降購入分のものです。

 

つまり、平成30年におこなわれる確定申告から、いよいよ申告できることになります。

 

去年1年間を振り返ってみて、市販薬を買ったなと思う方は、レシートを確認してみましょう。

 

こちらの税制はいまのところ期間が決められていて、平成29年1月1日〜平成33年12月31日までの特例です。

 

 

 

 

 

スイッチOTC医薬品とはなんぞや?

 

セルフメディケーション税制の対象となるスイッチOTC医薬品についてです。

 

OTCとは、「Over The Counter」の略語で、病院に行って医師の処方箋をもらわなくても、ドラッグストアや薬局のカウンターで直接購入できるお薬のことです。

 

スイッチOTC医薬品の説明として、日本調剤さんのHPより以下引用します。

 

医療用から一般用に切り替えた(=スイッチした)ということから「スイッチOTC」と呼ばれています。医療用医薬品と成分が同じですので、薬剤師によるしっかりとした服薬サポートが大切です。

 

※医療用医薬品とは、医師が発行する処方せんに基づいて、薬剤師が調剤してから受け取ることができる薬のことです。

 

※参照元:日本調剤

 

もともとは医療用として使用されていたのが、有効成分や服用方法などが同じまま、市販用として転用されたお薬のことですね。

 

スイッチOTC医薬品は、解熱鎮痛剤や胃薬、水虫薬など、身近と言えるお薬が多くあります。

 

「病院に行くまででもないけどお薬飲んでおきたいな。」と感じるときによく手にされる方も多いと思います。

 

 

 

 

 

スイッチOTC医薬品の見分け方

 

 

スイッチOTC医薬品かどうかは「厚生労働大臣が定めた有効成分」が入っていなければなりません。

 

しかし、素人が有効成分を見ても、よく分かりませんよね。

 

似たようなカタカナが並び、はっきり言ってちんぷんかんぷんです。

 

そのため、セルフメディケーション税制の対象となるお薬かどうかは、簡単に分かるようになっています。

 

わたしが服用しているお薬だと、ロキソプロフェン錠がセルフメディケーション税制の対象でした。

 

購入したお店では「このお薬はセルフメディケーション税制の対象となります。」と分かりやすく記載されてありました。

 

こういう共通マーク

 

 

で識別されていることが多いので、すぐに分かるのではないでしょうか。

 

領収書やレシートにも記載されています。

 

ちなみに、厚労省のHPに品目一覧が載っていますので、ご自身が購入されたお薬が対象となるかどうかは、そちらを確認するのも1つの方法です。

 

※リンク:厚生労働省HP

 

 

 

 

誰でも対象になるの?

 

 

セルフメディケーション税制の対象となるのは、所得税や住民税を納めている人で、かつ以下のような健診を受けている人です。

 

・特定健康診査(いわゆるメタボ健診)

 

・予防接種

 

・定期健康診断

 

・健康診査

 

・がん検診

 

会社員の方であれば会社の健康診断があると思いますので、ほとんどが対象になると思っておいていいでしょう。

 

なぜこうした健診を受けている必要があるのかというと、そもそもセルフメディケーションの意味を知る必要があります。

 

セルフメディケーションとは、WHO(世界保健機関)において「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること」と定義されています。

 

健診を受けていることによって、自分自身の健康に責任を持っていることが分かりますよね。 

 

 

 

 

 

セルフメディケーション税制は何のため?

 

セルフメディケーション税制ができた背景を確認しましょう。

 

こういう背景を知ることはけっこう大事なことで、自分自身の健康意識を高めるきっかけになります。

 

どこも混雑している病院を見ると分かるように、日本人は少しの不調でもすぐに受診すると言われることがあります。

 

もちろん、素人が勝手に自己判断するのは危険ですから、病院受診自体が悪いわけではありません。

 

ただ、あまりに軽度なものまで受診する習慣がつくと、日本の国民医療費はますます膨れ上がるばかりです。

 

わたしたちも、毎月高い健康保険料を支払っていますよね。

 

少子高齢化の日本では、病院に行く人が増えれば増えるほど、働く世代の健康保険料負担額は重くなっていくでしょう。

 

「不調がでてきたらとりあえず医者に診てもらえばいいや。」と、自分で自分の健康を気遣う意識も低くなってしまいます。

 

定期的な健康診断で自分の健康状態を把握しつつ、軽度なものに関しては市販薬で対応していく。

 

そのような流れを作るための税制と言ってもいいでしょう。

 

国民全員が軽度な症状に関してはセルフメディケーションを意識することで、医療費削減につなげたいとの狙いがあるのです。 

 

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医療費控除と大きく違う点

 

 

医療にかかったお金を税金から控除できる制度としては、医療費控除が以前よりあります。

 

こちらは1年に払った医療費が10万円以上という条件がついており、頻繁に病院で受診する家庭でなければ、対象となりにくいというデメリットがありました。

 

1年のうちに、「今年はけっこう受診したな。」という場合でも、医療費10万円はなかなかですよね。

 

大家族の方、定期的な通院が必要な方などがいれば別ですが、核家族化が進む現代においては多くはないケースでしょう。

 

 

 

 

セルフメディケーション税制は1万2千円以上が対象

 

一方、セルフメディケーション税制は、病院を受診せず、ドラッグストアや薬局で買ったスイッチOTC医薬品について、年間1万2千円以上の購入があればOKです。

 

手軽に買えるお薬が対象であることと、その購入金額が少額であることから、各段に利用しやすい制度と言えます。

 

上限8万8千円という上限がありますが、1万2千円を超える部分について、その年の総所得金額から控除することができます。

 

※保険金などで補てんされる分は差し引かれます。

 

たとえば、1年間にスイッチOTC医薬品を5万円買った場合(扶養している家族の分も含めることができます)。

 

1万2千円を超える3万8千円分が控除の対象となります。

 

仮に所得税率20%、住民税率10%の人だった場合は、所得税7千6百円、住民税3千8百円の減税になります。

 

申請するだけであることを考えると、日々の食費を100円単位で削ったりするより、ずっと簡単に貯金額を増やすことができます。

 

また、注意点として、この医療費控除とセルフメディケーション税制は併用はできないことになっています。

 

医療費が年間10万円を超える場合は、どちらかの制度を選ぶことになります。

 

 

 

 

 

 

セルフメディケーション税制を申告するにはどうするの?

 

大前提として、セルフメディケーション税制を利用するには確定申告が必要になります。

 

会社でやってくれるのは年末調整であって、確定申告ではありません。

 

会社員の方は、年末調整の担当部署に相談に行かないでくださいね。

 

というより、行ってもいいのですが、「ご自身で確定申告してください。」と言われるだけです。

 

すごく親切な担当者がいれば、セルフメディケーション税制の説明をしてくれるかもしれません。

 

個人的な思いとしては、年度末にかけて忙しい時期なので、できればやめてあげてほしいです。

 

ちなみに、平成30年の確定申告期間は、2月16日〜3月15日です。

 

 

 

 

 

セルフメディケーション税制の申告に必要な書類

 

セルフメディケーション税制を受けるために、2つを証明する必要があります。

 

1つは健診を受けたことです。

 

「一定の取り組みをおこなったことを明らかにする書類」として、健康診断の結果通知表やがん検診の領収書などが必要となります。

 

申告者本人が取り組みをしていればいいので、どなたかの扶養に入っている場合は、扶養してくれている人の健診書類を添付することになります。

 

2つめは、実際に医薬品を購入した事実を示す明細書です。

 

国税庁のHPからダウンロードできます。

 

※リンク:国税庁

 

具体的には、

 

・購入した薬局などの名称

 

・医薬品の名称

 

・支払った金額

 

を記載します。

 

セルフメディケーション税制対象医薬品である旨は、購入したときのレシートや領収書に分かるようにしてあります。

 

たとえば、商品名の横に★マークがついており、「★はセルフメディケーション税制対象商品です」といった文言が記載されています。

 

確定申告の際に領収書の添付は必要ありませんが、明細を記載するにはそもそも領収書がないと難しいので、嘘の申告はできません。

 

また、明細書原本や国税庁HPにはこう書かれています。

 

明細書の記入内容確認のため、確定申告期限等から5年間、税務署から領収書の提示または提出を求められる場合がありますので、領収書はご自宅等で保管してください。

 

税務署が個人宛てに確認を求めることはそうはないでしょうが、おかしなことはしない方が身のためです。

 

 

 

 

 

申告用に医療費BOXを作っておくと分かりやすい

 

 

セルフメディケーション税制を利用したいと思っても、ドラッグストアや薬局に行ったときの領収書を捨ててしまっていては確認ができません。

 

家計簿などでこまめに明細をつけていればまだいいのです。

 

しかし、恐らくドラッグストアではお薬以外のものも一緒に買われることが多いため、内訳をすべてつけておいてある人も少ないでしょう。

 

セルフメディケーション税制、医療費控除、どちらについても言えるのですが、医療費に関する出費があった場合、空きBOXか何かに領収書やレシートをまとめてポイポイ入れておくといいと思います。

 

確定申告の時期になって、家族皆に医療費の領収書を求めるより、家族全体で1つのBOXにまとめておく方がわかりやすいです。

 

今回の確定申告では難しいという方も、次回の確定申告に向けて準備しておきましょう。

 

 

 

 

 

確定申告が面倒な人へ

 

確定申告と聞くだけで面倒だからやりたくないと思う人もいますよね。

 

しかし、減税分の数千円を稼ぐのに何時間かかるか考えてみてください。

 

減税分が1万円だとしたら、1万円稼ぐために1日くらいかかる人も多いのではないでしょうか。

 

セルフメディケーション税制申告の準備に1日もかかりませんので、やった方がお得ではないかと思います。

 

特に会社員の方は、会社が年末調整をしてくれてあるので、あとは楽なものです。

 

フリーランスになった今、会社がやってくれる年末調整はありがたいなと思います。(といっても私自身が年末調整担当でしたが)

 

会社からもらった源泉徴収票があれば、あとは年末調整でやってもらえない項目のみ自分でやればいいだけです。

 

やり方がよく分からない人は、税務署に行って教えてもらってください。

 

確定申告時期になると説明会場みたいなものが設けられ、個別に指導してくれます。

 

「〇〇市(お住まいの市区町村) 確定申告」で検索すると、会場の場所などもろもろの情報が手に入るかと思います。

 

ご自身で済ませたいなら、やよいの白色申告オンラインなどのソフトを使うのも1つです。

 

というわけで以上、「セルフメディケーション税制のカンタン解説。使いやすいから節税の可能性大!」でした。

 

参考になりましたら幸いです。


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