やさしい社会保険と労働基準法の話。お金のことは覚えておこう

離婚しても旦那の年金半分もらえるんでしょ?と安心している人は注意

 

 

離婚時年金分割制度は離婚した場合の年金を分割できるという制度で、合意分割と3号分割と呼ばれるものがあります。

 

※離婚時年金分割制度については日本年金機構、厚労省HPをご覧ください。
日本年金機構HP
厚生労働省HP 

 

社労士の受験生を悩ますわかりにくい制度でもあって、一般の人がすべてを理解するには難易度が高いものと思われます。

 

ただ、ざっくりとでも良いので、「肝心なこと」を知っておかないと将来後悔することになってしまいます。

 

今回は、離婚時年金分割制度の中でも「旦那の年金が半分もらえるんでしょ?」という誤解についてお話していきます。

 

 

 

 

 

 

年金には国民年金と厚生年金がある

 

まず知っておきたいのは、年金と一口に言っても国民年金と厚生年金があるということです。

 

年金制度を説明するときに、「2階立て」と呼ばれているのを聞いたことはないでしょうか?

 

1階部分は国民年金、2階部分は厚生年金や公務員などの共済年金にあたります。

 

すごく簡単に説明すると、国民年金というのは自営業の人、20歳以上の学生さんなどが加入する年金のこと。

 

厚生年金は会社勤めをしているサラリーマンやOLさんが加入するものです。ややこしいのですが、会社勤めの人は、1階の国民年金も、2階の厚生年金も加入していることになります。

 

何となくで良いのでこのイメージを持っておきましょう。

 

 

 

 

旦那の年金が半分もらえるという巷の噂

 

 

離婚時年金分割制度に話を戻しますと、この分割には按分割合と言って、「離婚した場合にどれぐらいの割合で分割するか」という割合があります。

 

この按分割合が最大で50%なので、「じゃあ、旦那の年金が半分もらえるってわけね。」という誤解を生んでしまうのです。

 

分割の請求が通り、50%の按分割合を手に入れたとしましょう。

 

しかし、あくまでもこれは「婚姻期間中」に支払われた「厚生年金」の50%にあたるものです。一体どういうことなのでしょうか?

 

 

 

 

もらえる年金は婚姻期間中の間だけ

 

そもそもこの離婚時年金分割制度というのは、夫が外でしっかり働けるのは、妻が家で家事や育児をし、夫をサポートしてくれているから、という考え方に基づいています。

 

夫が将来もらえる年金には、妻の働き分も当然含まれているでしょ?ってことです。

 

では、夫が結婚する前に払っていた厚生年金保険料や、離婚した後の厚生年金保険料についてはどうでしょうか?

 

その期間は夫婦でない以上、妻の働きは一切関係がないので、婚姻期間外に支払った厚生年金保険料の分は考慮されません。

 

なので、「夫が将来もらえる年金の半分をもらえる」のは間違った認識で「自分が妻であった期間に該当する分だけは、そのうちの半分をもらえる」ということです。

 

離婚した後に元夫の年金を老後のあてにしていると、婚姻期間が短かった場合などはかなり想定外の生活を強いられることになります。

 

 

 

 

離婚時分割制度は厚生年金の制度

 

 

さきほど、2階立て年金のお話をしましたが、この離婚時分割制度は厚生年金の制度のお話になります。

 

余談ですが、社労士のテキストを見ると厚生年金のテキストにはこの制度の話が載っていますが、国民年金のテキストには出てきません。

 

つまり、最大50%の按分割合は、「厚生年金の分について」のことなので、2階立てにあたるところの半分という話です。

 

もう少し具体的に言うと、ずっと旦那が自営業をやってきたような人は、国民年金には加入しているけれど厚生年金には加入していませんので、そもそも離婚時分割制度が適用されません。

 

夫が自営業だったという人は、将来夫がもらえる年金の半分をもらえるという概念すらないのです。

 

夫がサラリーマンだったという人は、夫が将来もらえる年金は、国民年金と厚生年金からでます。

 

しかし、分割の対象になるのは厚生年金の部分のみなので、夫がもらえる年金「全部」の半分ではないのです。

 

婚姻期間中に夫が独立して自営業になっている場合なども、あくまでも会社勤めをしていたときだけの年金の話だということを覚えておきましょう。

 

 

 

 

勝手にはもらえない

 

離婚が成立したら自動的に手続きが完了し、将来は夫の年金からいくらかもらえると安心してはいけません。

 

当然請求が必要になりますので、妻が自分で手続きに行くしかないんですね。

 

しかも、離婚が成立してから2年以内の請求と定められていますから、離婚してあれもこれもと忙しい手続きだらけの中、将来の年金については忘れてしまいがちになります。

 

自分が対象になるのかよくわからないという人でも、とりあえず2年以内に近くの年金事務所に行きましょう。そこで判断してもらえば良いのです。

 

 

 

 

最後に

 

いかがでしたか?今回は、難しい離婚時分割制度の中でもよくある誤解「旦那の年金半分もらえるんでしょ?」についてお話しました。

 

旦那の年金をあてにしすぎると将来困ってしまうことになります。そもそも年金制度自体がもうどうなるのかわかりませんものね...。

 

離婚を経験した女性ができるのは、請求できるものはしっかりすることと、自らも資産を形成するように準備しておくということだと思います。

 

ぜひ参考にしてみてください。


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