離婚後の養育費をあてにしている人へ。養育費の相場や注意点、離婚前の準備について

離婚後の養育費をあてにしている人へ。養育費の相場や注意点、離婚前の準備について


 ※この記事は2018/11/11に執筆しました。

 

離婚を決意し、離婚後の生活を考えたとき「夫から養育費がもらえるはずだから大丈夫だろう」と安心しきってはいないでしょうか。

 

「自分の子どもを見捨てるはずはない」「あれだけ収入があるのだから養育費くらい惜しくないはず」と思っても、そううまくいかないのが現実です。

 

今回は、離婚の養育費をテーマに、相場や注意点、離婚前の準備などについても触れていきます。

 

 

 

 

 

 

※この記事で書いてあること

養育費とはどんなもの?
養育費はもらえないことがあるって本当?
養育費の相場や計算方法は?
養育費を確実にもらう方法はあるの?
離婚前の準備として今からやっておくべきこと
最後に

 

 

 

 

 

養育費とはどんなもの?

 

養育費とは、子どもを育てるために必要なさまざまな費用のことです。

 

子どもを育てるには、子どもの衣食住に関する費用、医療費、教育費などのさまざまな項目でお金が必要になります。

 

子どもが大きくなっていくほどかかるお金も増えていきますよね。

 

 

 

 

養育費がもらえる子どもの年齢は?

 

一般的には、子どもが20歳になるまでの費用のことを指しますが、20歳という年齢で厳密に決められているわけではありません。

 

たとえばこんなケース。

 

子どもが高卒で仕事を始めた
子どもが成人して学校も卒業したけど働いていない
子どもが大学に進学する希望がある
子どもが障害などで自立が困難

 

子どもが親に養育される必要があるのは、あくまでも経済的に自立できていないからです。

 

高卒だろうと何だろうと就職してしっかりと稼ぎがあれば養育費は不要とされることが多くなります。

 

反対に、子どもがすでに成人してもニートで家でゲームばかりしているような場合、働けない事情がない限りは子ども自身の責任です。

 

かわいそうですが、親に養育費の支払義務はありません。

 

子どもを無理やりでも働かせるか、ニートをさせるなら自分の稼ぎで養っていくことになります。

 

子どもが大学に進学する場合はケースバイケースです。

 

大学に進学しても20歳までと決めることもあれば、大学卒業までと決めることもあります。

 

親の話し合いによりますが、親の学歴などが考慮されることも多くなっています。

 

これは、養育費の考え方として、「離婚した親と同等の水準」が求められるからです。

 

たとえば、親が二人とも大卒の場合には、子どもにも大学教育を受けさせることが「同等の水準」となり、大学卒業時までの養育費支払がされることも多くなっています。

 

子どもが成人していても、障害などが理由で自立が難しい場合には考慮されて養育費の請求が認められることもあります。

 

 

 

 

養育費は子どもに贅沢をさせるための費用ではない

 

ご承知かとは思いますが、養育費はあくまでも子どもの養育に「必要な」お金です。

 

子どもに贅沢をさせるためのものではありません。

 

子どもに不自由をさせないだけの費用があり、そのうえで「子どもに高級車を買ってあげたい」「高層マンションに住まわせたい」という理由で養育費を求めるわけにはいきません。

 

贅沢といっても解釈が幅広いですが、ここは養育費の対象となるかどうかについて少し触れます。

 

たとえば、留学費用。

 

日本では留学などしなくても質の高い教育を受けることが十分できますし、全国には留学せずとも立派に学業をまっとうした学生さんたちが大勢います。

 

つまり、留学費用はあくまでもプラスαのもの。

 

養育に際して「必要」とまでいえるものではありませんので、通常は養育費の対象外になります。

 

同じような意味で、大学院に行く場合も養育費の対象外とされることが多いと思っておきましょう。

 

 

 

 

養育費はもらえないことがあるって本当?

 

 

養育費は「親が子どもを扶養する義務」に基づくものであり、親同士が離婚したからといって、この義務が消滅するわけではありません。

 

養育費の支払いには法的な根拠が存在するのです。

 

にもかかわらず、養育費を受け取れずに泣き寝入りする方が少なくありません。

 

これは、養育費を支払わなかったからといって、刑法上の犯罪に問われて逮捕されるようなことがないからです。

 

もちろん、給与や財産の差し押さえ、損害賠償請求など民事上の責任が問われることはあります。

 

しかし現実にはいろいろと手続きが必要なことなので、養育費を求める側がなかなか行動に移さないことも多いようです。

 

離婚にあたって「もう二度と元配偶者とつながりを持ちたくない」という感情から、請求しなかったり、諦めてしまったりする方も多いようです。

 

わたしの友人も「あんな旦那の顔は二度と見たくないから養育費も請求しなかった」と言っていました。

 

ちなみに、さまざまな機関が実施しているアンケートによると、養育費をきちんと約束通り受け取っている方の割合はたったの20%程度だそうです。

 

とても理不尽な話ですが、養育費はもらえないことの方が圧倒的に多いと覚悟し、確実に回収するための対策を講じておくことが必要ですね。 

 

 

 

 

養育費を払わない理由は?

 

養育費を求める側からすれば「自分の子どもなのに養育費を支払わないなんて最低」と思いますよね。

 

確かに、何の事情もなかったり、自分が贅沢をするお金が欲しいがために養育費を払わなかったりすることは、あってはならないことです。

 

一方で、養育費を支払う側からすると支払わなくなる「言い分」もあります。

 

これが許されるかどうかは置いておくとして、次のような理由からです。

 

再婚を考えるようになり新しい家族のためにお金をとっておきたい
離婚してから仕事がうまくなくなってきたので自分の生活に不安がある
離婚の慰謝料や年金離婚時分割などで多くのお金をとられるため不公平感がある

 

非情なことかもしれませんが、誰でも、自分と、自分ともっとも近しい人たちのことが一番だということです。

 

 

 

 

養育費をもらうことを諦めないで

 

養育費をもらえない人が多いと聞くと、「なら最初から養育費などもらわない」と決めつけてしまう人がいます。

 

確かに、養育費がなくても生活できるだけの基盤を整えることが大切ですが、最初から諦める必要はありません。

 

子どもはこれからどんどんお金が必要になります。

 

今は生活できていても、子どもが万が一入院をしたとき、自動車免許を取得するとき、大学に入学するときなどには生活費以外にもまとまったお金がかかります。

 

そうしたときのことまで考えていますか?

 

養育費を可能な限りもらう方法を後述しますので、早い段階からもらうことを諦めないでください。

 

 

 

 

 

養育費の相場や計算方法は?

 

 

ここからは、養育費をもらえると仮定して、具体的にいくらもらえるのか相場について触れてみます。

 

 

 

養育費は元配偶者が応じれば青天井

 

離婚の慰謝料などについても同じことがいえるのですが、養育費に確実な相場はありません。

 

極論、元配偶者が応じさえすれば、青天井的にもらうことができます。

 

先ほど、「子どもに贅沢をさせるためのものではない」と言いましたが、これも元配偶者が贅沢を望み、それを叶えるだけの財力があれば実現します。

 

「俺の子どもなのだから何不自由なく、贅沢三昧の暮らしをさせるべき」と元配偶者が思えばそれで済む話なのですね。

 

しかし、実際はそんな財力がある元配偶者ばかりではないでしょうし、財力があっても多額の養育費の支払いに応じてくれるとも限りません。

 

ここでやっと、「相場」が問題になるわけです。

 

 

 

 

養育費の相場はいくら?

 

養育費の相場をあえて申し上げるとすれば、2〜8万円といったところでしょうか。

 

相場なのになぜこんなに差があるのかといえば、次のような条件によって必要な養育費の額が変わるからです。

 

子どもが何歳なのか
子どもが何人いるのか
親たちの年収はどの程度か

 

何歳の子どもが何人いて、親たちにどれくらい稼ぎがあるのかは、家庭それぞれですよね。

 

そこで全国の家庭裁判所では「養育費算定表」というものを用いて、養育費決定の参考にしています。

 

ご自身の家庭の場合はどうなるのか、ざっくりとした養育費を知りたければ、「養育費算定 ツール」などと検索してみてください。

 

弁護士法人のサイトなどで、裁判所の算定表を元に作成された簡易ツールが公開されていますので、1分もかからず確認することができます。

 

 

 

 

養育費算定はあくまでも目安

 

ただし、算定表も簡易ツールもあくまでも目安に過ぎません。

 

仮に裁判などになれば、子どもの人数や年齢、年収以外にも、個別の事情が考慮されることがあると覚えておきましょう。

 

たとえば、離婚時は専業主婦やパートだった妻だが、子どもはそれなりに大きくなっていて本来であればバリバリ働ける状況にある場合。

 

「わたしの方が収入が低いから養育費をたっぷりもらうべき」と主張したとしましょう。

 

すると、「子どもは手がかからないのでもっと働くことができるはず」「養育費の請求額が多すぎる」と反論されるおそれがあります。

 

単純に離婚時の年収だけというより、親個人の労働能力なども考慮される材料になることは覚えておきましょう。

 

また、協議離婚が成立せず、調停や裁判になるほど、養育費の額は相場にそう形になります。

 

相場を無視した高額な養育費を請求すると、結局は協議離婚ができずに裁判になるリスクが高まります。

 

このあたりは難しいところですが、ご自身の相場を知っておくことも大切になります。

 

 

 

 

 

養育費を確実にもらう方法はあるの?

 

養育費の不払い率が80%前後あることから、養育費を100%確実にもらう方法はありません。

 

しかし、不払いのリスクを極力減らす方法はあります。

 

 

 

養育費の取り決めを公正証書にしておく

 

まずは、離婚するときに養育費の取り決めについて、必ず書面で残しておくことです。

 

そしてその書面を公正証書にしておきましょう。

 

公正証書というのは、書類が法的に効力を発揮することを、公証人が証明してくれる書類です。

 

養育費の場合は、万が一支払が滞ったときに、公正証書があることで、裁判を起こさずとも強制執行(給与や財産の差し押さえ)をすることができます。

 

全国には公証役場があります。日本公証人連合会のサイトで確認できます。

 

※外部サイト:日本公証人連合会

 

ここまでは弁護士などを頼らず、自分でもおこなうことができます。

 

事務手数料など多少の費用は必要ですが、何十万もいるものではありませんので、経済的に不安な方もやっておいた方がよいでしょう。

 

これで養育費不払いを防止できるなら、結局は事務手数料を支払ってでもやっておく方が得になります。

 

 

 

 

可能なら弁護士を介した方がよい

 

もう少し経済的な余裕がある方は弁護士を介し、養育費の取り決めをしておくことも方法です。

 

法律の専門家である弁護士が間に入ることで、元配偶者が「養育費を払わないと法的に訴えられるのでは?」と不安を感じることになり、不払いの抑止力になります。

 

実際に不払いが起きてしまった場合にも事情を知っている弁護士に相談した方がスムーズでしょう。

 

 

 

 

 

離婚前の準備として今からやっておくべきこと

 

 

養育費をもらうためにできることはありますが、確実ではない以上、自分でもできることをやっておく必要があります。

 

公正証書を作っておいても、元配偶者が失業や全財産をなくすような事態になっている、夜逃げをされるなどすれば無意味になってしまうからです。

 

あらゆるリスクに対処できるように、できる限りのことはやっておきましょう。

 

 

 

 

 

正社員登用を目指す

 

専業主婦やパートの場合、賃貸契約ができない、クレジットカードが作りにくいなどのデメリットもあります。

 

もちろん、パートや派遣に比べても雇用が安定しており、賞与などがあれば収入も有利になります。

 

離婚する前に正社員になっておくことで離婚後の生活を始めるのにスムーズですから、可能な限り目指しておくことをおすすめします。

 

もし、離婚後に起業やフリーランスでやっていこうと思っている場合は、少なくとも離婚前に賃貸契約を結んでおくか、実家で暮らすことなども検討してください。

 

クレジットカードも離婚前に作っておくことをおすすめします。

 

 

 

 

働けるスキルを身につけておく

 

元々正社員で働いていた人はよいのですが、専業主婦歴が長い人や、正社員として働いたことのない人は、就職活動で苦労する可能性が大きいです。

 

中途採用者を雇う場面において、職歴がない人は採用の優先順位が低くなるからです。

 

離婚した後にスキルを磨くのでは遅いので、離婚前にスキルアップをはかり、就職に有利になるようにしておきたいところです。

 

ちなみに、女性が希望しやすい事務職は人気が高く、求人自体も少ないです。

 

近い将来、AIに仕事を奪われやすい職業の筆頭にあげられる職種ですので、そのあたりも覚えておきましょう。

 

現実問題として求人が多く、ニーズが高い分野は、医療、介護、福祉などが中心になると思われます。

 

体力的に大変な仕事も多くなります。

 

 

 

 

 

「体力的な不安で働きにでたくない」のなら?

 

もし、「体が弱くて医療や介護分野の労働は難しい」というのなら、クラウドソーシングを使った仕事も選択肢に入れてみてもよいかもしれません。

 

わたしが今まさにやっている仕事ですが、自宅でパソコンを使ってできるため体力的には非常に負担が少ないです。

 

フリーランスならではのリスクがあるため手放しにおすすめはできませんが、「体力がないから働きにでられない、でも稼がなくてはいけない」という状況であれば方法のひとつです。

 

この世界には、フリーランスかつシングルマザーで、毎月何十万円も稼いでしっかり子育てしている方も大勢いらっしゃいますよ。

 

離婚前に仕事に慣れておくにしても、パソコンがあれば配偶者に内緒でこっそり仕事することもできます。

 

わたしはクラウドワークスを使っていて満足していますが、ランサーズも業界大手なので安心感があります。
  
雇われで体力が求められない仕事には、ほかは事務職や工場の軽作業があります。

 

前述したように事務職はなかなかハードルが高いので、工場の軽作業も意外とおすすめです。

 

採用ハードルが低く、それなりに稼げる仕事です。

 

見た目の華やかさはありませんが、そんなことを言っている場合ではありません。

 

少し厳しい言い方かもしれませんが、「あれもできない、これもできない」では、離婚して子育てすることは難しくなります。

 

どんな仕事でも頑張っていくくらいの覚悟がもてないのなら、離婚を諦めることも選択肢です。

 

 

 

 

子どもの保育園の確保

 

離婚して子どもを保育園に入れて働きたい、元配偶者と離れるために子どもの保育園を変えたい場合などがあるでしょう。

 

離婚前に子どもの保育園を確保しておく必要があります。

 

「シングルマザーになれば保育園では優遇されるはず」とお思いの方もいるかもしれません。

 

確かに母子家庭は入園における優先順位が高い方です。

 

しかし、自治体にもよりますが、実はシングルマザーは入園において思っていたよりも優遇されないことが珍しくありません。

 

これは、まずは待機児童が多いという根本問題があります。

 

そして、シングルマザーよりも、子育て中の保育士や幼稚園教諭などの方が優先順位が高く設定されていることがあります。

 

ほかにも

 

複数人の子どもを育てている人
労働時間が長い人
前いた職場に再雇用が決まっている人

 

など、入園における優先順位が高い人たちがいますので、その人たちと比較してどうか、という判断もあります。

 

シングルマザーだからといって必ずしもすぐに保育園に入れられるとは限らないのです。

 

このあたりの基準は自治体によっても異なります。

 

離婚の前に自治体の基準を確認しておくなど、早めに対策しておいた方がよいでしょう。

 

 

 

 

最後に

 

いかがでしたか?

 

今回は離婚した後の養育費についてのお話でした。

 

総括すると、養育費はもらうべきだし、もらうための対策を講じておくべきですが、あてにしてはいけないということです。

 

何はともあれ、ご自身の力だけで経済的自立を目指すことが非常に重要になります。

 

お子様のためにもぜひ押さえておいてください。


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