通勤手当がもらえない?違法を疑う前に知っておきたい通勤手当豆知識

通勤手当がもらえない?違法を疑う前に知っておきたい通勤手当豆知識

 

 

会社に出勤するときの通勤交通費は、ちゃんともらわなくちゃ割に合わないと、多くの方が思うでしょう。

 

しかし実際には、通勤手当がもらえないということがあります。

 

そんなの違法では?と思うかもしれませんが、そうではないことが多々あります。

 

通勤手当に関しては誤解も多いです。

 

その誤解をなくすべく、通勤手当がもらえないケースをご紹介したいと思います。

 

元給与担当として、通勤手当の豆知識も踏まえながら解説していきます。

 

 

 

 

 

本記事では、給与明細の中で「通勤手当」についてクローズアップしてお送りしていきます!

 

 

 

 

 

そもそも通勤手当って法律上支給義務がない

 

「通勤手当は必ずもらえるもの」

 

そう誤解している人がいます。

 

しかし、会社には通勤手当を支給する法律上の義務がありません。

 

労働者の味方である労働基準法にも、通勤手当を必ず支給しなくてはいけないという条文はありません。

 

誤解してしまう理由は分かります。

 

ほとんどの会社で通勤手当が当たり前に支給されているので、「そういうもの」だと思うのでしょう。

 

でもこれは、通勤手当ぐらい出さないと人が働いてくれないので、あくまでもその会社の気持ちとして支給しているだけなのです。

 

まずはこれを大前提として覚えておきたいです。

 

 

 

 

就業規則などの会社規定がすべて

 

 

法律上には支給義務がない通勤手当ですが、根拠となるものはあります。

 

それは就業規則です。

 

就業規則に通勤手当の規定がある場合は、その時点で会社に支給義務が発生します。

 

就業規則はいわば会社の法律ですね。

 

「自分が働いている会社では通勤手当がでないが違法ではないか?」と思っている方は、

 

就業規則を確認しましょう。

 

通勤規則とか給与規則とか、名称は違う場合もあります。

 

 

 

 

休職中はでないこともある

 

休職中などは、「通勤行為そのものが発生していない」ため通勤手当がでないことがあります。

 

これも、就業規則に書いてある通勤手当の支給条件を見れば判断できます。

 

支給条件や、支給の限度額などもすべて会社が自由に決めることができるので、自分の会社の規則を見ないことには始まりません。

 

ただし、前述したように、通勤手当は法律上の支給義務はないが、就業規則に定めた場合にはそれにもとづいた支給義務が発生します。

 

条件を満たしているのに会社や担当者の判断で勝手に「出勤してないから手当なんてでるわけないでしょ。」とはできません。

 

あくまでもどういった条件が定められているのか、ということです。

 

 

 

違う通勤方法をすると通勤手当が出ないこともある

 

 

通勤手当の支給額が全員一律であれば関係ないですが、通勤方法によって支給額や計算方法が異なることはよくあります。

 

通勤方法を一つに決めなくてはいけないという法律はありませんが、実際には一つしか申請できない会社も多いと思います。

 

「月曜日は車、火曜日はバス、水曜日は電車...」という従業員がいて、それを従業員全員に対して日ごとに計算するのは実務上大変なことですしね。(不可能ではないですが

 

ですから、「普段は自転車だけど雨の日はバス」などの場合、「雨の日のバス代は自己負担」ということも普通にあります。

 

これも会社がそう決めているだけなので、違法ということではありません。

 

 

 

 

退職時は通勤手当がでないことがあるよ

 

以前の記事

 

会社をやめるときに気を付けたいお金の話。最後の月の給与はほとんど手元に残らないよ! 

 

でもお伝えしましたが、退職する場合の通勤手当は注意が必要です。

 

人によって、退職日までの1〜2ヶ月程度を、残った有休ですべて過ごすという人もいると思います。

 

有休休暇は最大で40日取得可能ですから、全く有休を取得せず頑張ってきた人などは、最後に使いきって辞めることもできます。

 

ただ、前述した休職のときと同じように「出勤していないので通勤手当がでない」ことはあります。

 

今まで月に1〜2日だけ有休を取得していたときは通勤手当がでたのにおかしいねと思うかもしれませんね。

 

これも、会社規則によりますが、「月何日以上出勤していなければ通勤手当は支給しない」などの規定があれば、それにもとづいて長期の有休消化中はでない可能性があるということです。

 

これまで当たり前にもらっていたものがでないと「なぜ!?」と思うかもしれませんが、いきなり担当者に怒りの電話をかけるのではなく、まずは規則を確認しましょう。

 

私がいた会社でも、「月のうち全部が有休ならば通勤手当は支給しない」という規定がありましたが、「通勤手当が支給されてないんだけど。」と言ってくる人はいました。

 

 

 

 

正社員とパートでは規定が異なることもある

 

正社員とパートでは給与規定が異なる場合があります。

 

その場合は、パートさん用の給与規定にもとづいて通勤手当も支給されることになります。

 

例えば、夫婦で同じ会社に勤めていて、夫は正社員、妻はパートの場合、自宅が同じでも通勤手当の額に違いがでる可能性があるということです。

 

パートさんの場合は働く日数が正社員より少ないこともあるので、全く同じだとバランスがおかしくなるということもあって、正社員とパートさんの通勤手当の計算方法に差をつけることはあります。

 

私がいた会社では正社員は勤務日数に限らず月額固定、パートさんは勤務日数に応じて実費を支給していました。

 

ただし、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(いわゆるパートタイム労働法)やそれにもとづくガイドラインがあります。

 

会社側はパートであることだけを理由に正社員とパートさんの待遇に不当な差をつけてしまうと、是正を求められる可能性もあります。

 

どんな働き方をしているパートさんなのかにもよるので何とも言えませんが。

 

 

 

 

終電を逃すと通勤手当実費が発生することが

 

 

公共の交通機関で通勤されていて、残業が多い会社にお勤めの場合は、終電を逃して交通費を自腹で払うこともあります。

 

終電がないのでタクシーを使うことが考えられますが、公共交通機関の運賃に比べると当然割高ですよね。

 

これも会社規則次第ですが、深夜残業時のタクシー代支給の規定がなければ、タクシー代は会社は払ってくれません。

 

タクシー代を払ってくれる会社もあれば、払ってくれない会社があってもおかしくはありません。

 

世の中には、サービス残業を強いられた上に深夜のタクシー代を自腹で払い、働いても働いてもお金がないという人もいます。

 

その場合は、サービス残業の強制を根拠に、労基署や専門家などしかるべき場所で相談するようにしましょう。

 

 

 

基本給に含まれるのではなく通勤手当として支給される会社が得?

 

通勤手当の支給基準は会社が自由に決めることができますので、中には「通勤手当が含まれていることを前提として基本給が少し高めに設定されている」という会社もあるようです。

 

例えば転職先を探す際など、こういった会社を選ぶべきか、通勤手当の支給があるが基本給が少し低い会社を選ぶべきか迷うことがあります。

 

これは実際にどちらが得なのかは微妙なところです。

 

通勤手当には非課税枠が設けられていて、一定以内の手当であれば税金がかかりません。

 

参考:国税庁HP

 

基本給と通勤手当のトータルが同じだとしても、基本給に含まれているか通勤手当として支給されているかどうかで税金の額が変わってくるということです。

 

ただし、基本給が低いと、基本給をもとに計算される残業代や賞与が少ないことがあります。

 

そのあたりを考慮しても、どちらが得になるかは一概には言えません。

 

ただ、個人的には、「通勤手当が含まれていることを前提として基本給を決める」のは、支給基準が曖昧でわかりにくく、引っ越しや通勤方法の変更などが個別に起きる可能性も含めて考えると

 

あまり実情に沿った決め方ではないと思います。

 

私は求人媒体で働いていたことがあったのでそのときの経験をもとにお話させていただくと、

 

労働条件や求人広告を出すときに、やっぱり良い企業ほど給与形態がわかりやすくシンプル、基準が明確という傾向が一つあります。

 

なぜならコンプライアンス意識が高く、労働者との不要なトラブルを避けたいと思うからです。

 

ちょっとどうかなという企業ほど、抜け道があったり、応募者を誤解させるような文言を使いたがります。

 

あくまでも個人的な意見ですし、基本給設定に通勤手当を含めていて、その合計額が従業員の働きに見合ったものであれば問題はありません。

 

当然ながら、転職先や取引先を見極めようとするときは、その他の点も含めて総合的に判断する必要がありますね。

 

 

 

実録コラム:通勤方法を不正に申請することで痛い目に合うことも

 

通勤手当の不正受給はいろいろな会社で問題になっています。

 

私がこれまで働いた会社でもありまして、中でも印象深かったケースをご紹介させていただきます。

 

基本情報として、主な通勤方法や計算方法は下記の通りでした。

 

車・バイク・自転車...距離に応じて計算

 

バス・電車などの公共交通機関...定期券代をもとに計算※定期券の都度確認はなし

 

車などより公共交通機関を利用する方が交通費は高かったので、公共交通機関として会社に申請しながら車を使って通勤するという不正受給がありました。

 

発覚したのは意外にも、会社の近くにあったスーパーの店長さんからの通報がきっかけです。

 

「多分おたくの会社の従業員だと思うけど、店の駐車場を頻繁に無断利用している人がいる」

 

で、調べてみたらウチの従業員、かつ、公共交通機関利用として通勤方法が申請されていました。

 

通勤手当の不正受給と、スーパーの駐車場無断利用とダブルでやらかしたわけです。

 

結果的には不正受給額が合計で数十万を超えていて大問題になりました。

 

すでに退職が決まっていた人だったので返済のみという形になりましたが、(逃げ切ろうとしていたようです。)

 

本来ならば懲戒処分ものでしたし、会社の偉い人たちから厳しく指導を受けることになりました。

 

不正受給はしばらくはばれないかもしれませんが、必ずいつかばれます。

 

ばれたときには不正受給額が膨らんでいて、返済に困ることになりますし、信用を失います。

 

ちなみに、通勤手当は社会保険料の算定の基礎とする報酬に含まれます。
参照:日本年金機構HP

 

通勤手当を不正受給し、実は社会保険料がアップしている可能性もあるのです。

 

 

 

 

最後に

 

いかがでしたか?

 

今回は、給与明細の中でも「「通勤手当」をクローズアップして、通勤手当がでないケースや通勤手当の豆知識をご紹介しました。

 

会社規定で決めれるという点で誤解が生じやすい項目でもあります。

 

繰り返しになりますが、あくまでも自社規定を確認した上で、それに沿った通勤手当の支給がなされているのかを確認してみてください。

 

 

 


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