給与明細の項目ここに気を付けよう!元給与担当者が教える給与明細の全注意

給与明細の見方はここに気をつけて!元給与担当者が教える給与明細の基礎知識

 

 

給与明細、ちゃんとチェックしていますか?

 

小言がうるさい元給与担当者です。

 

給与明細はそれぞれの項目ごとに特に気を付けたいポイントがあります。

 

今回は給与担当としての経験から、給与明細の見方で「ここは気をつけて!」と思うポイントと、明細全体の基礎知識を解説していきます。

 

 

 

 

 

給与明細ってこんなもの

 

給与明細の書式に特別な規定はありませんので、参考までにイメージ図を作りました。

 

簡単に作ったものなので多少の見にくさはご容赦ください。

 

まぁ、大体こんな感じかなと。

 

項目は各会社によって違いますので、よくありそうなものを入れてあります。

 

※数字はけっこう適当なので、基本給に対して社保や税金が違うじゃないかと思ってもスルーしてください。

 

今回は給与明細の項目ごとの注意事項について具体的に説明していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

勤務欄は実情に沿っているかを確認しよう

 

まずは給与明細の「勤務」の項目から見ていきます。

 

 

 

給与明細によって「勤務」とか「勤怠」とか書き方はいろいろですが、この勤務欄からは以下のような情報が読み取れます。

 

@出勤日数:全部で何日出勤したか

 

A超勤時間:残業は何時間したか

 

B前月有休日数:有休は何日消化したか

 

そのほか、「遅早外時間」では遅刻や早退はしたのか、「深夜時間」では深夜時間帯の勤務があったのかなどが記載されています。

 

この勤務欄は、給与の金額として表示されていないので、さらっとだけ見るという人も多いと思います。

 

しかし、給与計算システム上、この勤務欄の数字に基礎額をかけるという数式が組まれているはずなので、勤務欄の確認も必須です。

 

元給与担当者からのワンポイントアドバイス

 

ここで特に注意していただきたいのはAの超勤時間とBの前月有休日数です。

 

理由としては、この2つは、「上司が勝手に変更しがち」な項目だからです。

 

労働者としては正当な残業をしていたり、有休ではなく給与額の調整で処理してほしくても、

 

「そんなに残業申請されては人件費が上がってしまう」

 

「この日は子供の体調不良ということで少し早めに帰ったから、早退ではなく1日有休にしておこう。」

 

など、納得できない理由で勝手に改ざんされがちです。

 

実際に私がこれまで働いていた会社では、そういったことがときどき行われていました。

 

もちろん、あってはならないことです。

 

実際に自分が申請した残業時間と合っているか、子供が小さくて有休はできるだけ取らずに早退分を削られた方が良かったのかなど、実情に沿った勤務欄になっているか確認しましょう。

 

 

 

 

支給欄は「変化の直後」に気をつけて

 

続いては、イメージの給与明細では真ん中に位置する、「支給」の項目について見ていきます。

 

 

 

 

 

支給欄では、基本給だけでなく、手当や通勤交通費など「会社からもらえるお金」についての情報が満載です。

 

ここでは、項目ごとに気を付けたいポイントを解説していきます。

 

 

C基本給

 

基本給が間違っていることなんてないと思うかもしれませんが、そうでもありません。

 

注意が必要なのは「昇給した直後」です。

 

定期昇給や、昇給がともなう昇格が決まった後など、前月の明細と見比べてちゃんと基本給がアップしているか確認してみましょう。

 

 

 

D通勤手当

 

通勤手当で特に注意したいのは、通勤方法が変わったときや、引っ越しで通勤距離が変わったときです。

 

会社規定によりますが、通勤方法や距離ごとに通勤手当の支給額が異なる場合は、規定に基づいた通勤手当が支給されているか確認しましょう。

 

例えば月の途中で引越しをした場合など、通勤手当が日割り計算される可能性もあります。

 

※通勤手当についてはこちらの記事でも詳しく書いています。

通勤手当がもらえない?違法を疑う前に知っておきたい通勤手当豆知識 

 

 

 

 

 

 

 

 

E住宅手当F扶養手当

 

給与規則によって支給要件が異なるこれらの「手当」は、自分の会社ではどんな手当があるのかを規則で確認することが大切です。

 

会社が勝手につけてくれる手当ではありませんので、必ず「申請」が必要だからです。

 

「知らなかった」と言っても、「そうですか、就業規則渡してあるのに残念でしたね。」と言われてしまうだけです。

 

一人暮らしをはじめたとき、お子様が生まれたときなど、生活環境に何か変化があったときは、「ウチの会社で何か手当がでないのかな?」と疑問に思って、

 

就業規則を見るなり、給与担当に聞くなりして確認しましょう。

 

 

 

G超勤休日手当

 

ここは先ほど解説した勤務欄と連動している部分です。

 

残業や休日出勤が多ければ、自動的に超勤休日手当も多いはずです。

 

いつもよりすごく残業を頑張ったはずなのに、休日出勤したはずなのに、手当が少ない気がするという方は、実際の残業時間と時給から手当を計算してみましょう。

 

時給の出し方は、会社の給与規則を見てみると記載されていることが多いと思います。

 

もし分からなければ、給与担当に超勤休日手当の計算方法を教えてもらいましょう。

 

そうすると「あれ?残業時間がカットされるかも。」など、勤務欄の不備に気づくこともあります。

 

ちなみに、上記の給与明細の超勤休日手当は、ざっとなのですが一応計算根拠があります。

 

時給算出の条件を、基本給230,000円のみ基礎とする、所定労働時間7.5時間、基礎日数を20.5、超勤時間60時間、45時間超の分は努力義務を考慮しないとし、

 

230000÷20.5÷7.5×1.25×60=112,195.12...

 

これを整数にしてあります。

 

各会社の給与規則によって、何を計算の基礎とするのかや、所定労働時間、勤務日数、端数の処理方法など、とても細かい点で違っています。

 

なので、「自分の会社の給与規則を見たり給与担当に聞いてくださいね。」ってことです。

 

 

 

Hその他

 

「その他」には、各項目に載せきれないような細かい手当や、個人ごとに異なるものなどが含まれています。

 

私が働いていた会社では、「その他」が発生した場合は必ず内容が分かる説明文を給与明細と一緒に従業員に渡していました。

 

説明もなく「その他ってなんだ?」と思ったら、そのままにせず給与担当に問い合わせてくださいね。

 

 

 

 

控除欄は基本的な制度の理解を目指そう

 

続いては給与明細の下の方にある、控除欄について見ていきます。

 

     

 

 

控除とは

 

私がいた会社の新人さんで「控除ってなんですか?」と聞いてきた子がいたので、念のため「控除」の意味を説明すると、「一定の額を差し引くこと」です。

 

給与明細で言うと、支給から差し引かれるものが控除欄には載っています。

 

控除の意味も分からんのか!?と思ったかもしれませんね。

 

多分、若い方はそんなものなのだと思います。私も社会人一年目の頃には同じ疑問を持っていたかもしれません。

 

では話を給与明細の解説に戻しまして、実は給与明細の中では控除欄こそが厄介なものです。

 

ある程度の制度理解がないと難しく感じてしまうので、給与明細に載っているものぐらいは覚えておきたいですね。

 

 

 

I健康保険料J厚生年金料

 

健康保険料や厚生年金料は、原則9月〜翌年の8月までは同じ金額になります。

 

9月〜というのは、「9月分」ということです。

 

翌月控除の会社ならば10月の給与明細から、当月控除の会社ならば9月の給与明細を見ると、健康保険料や厚生年金料が新しい年度のものになっています。

 

ただし、例外があって、固定給に大きな変動があったときや、少し前に育休復帰した方などは、9月でなくても額が変わることがあります。

 

このあたりは別の機会に詳しく解説できればと思っています。

 

また、番号はふっていないのですが、健康保険の隣の項目にある「介護保険料」は、40歳になると払うようになります。

 

自分の親の介護をしているかどうかは一切関係ありませんので、急に介護保険料が発生してびっくりしないようにしましょう。

 

ここでも覚えておきたいキーワードは「変化」ですね。

 

何か変化が起きたときに特に注意して見るようにしましょう。

 

 

 

K雇用保険料

 

雇用保険料は、月ごとの賃金の総額に雇用保険料率をかけたものです。

 

賃金の総額に何を含めるのかは細かく定められていて、例えば残業代なども含まれます。

 

ですから、雇用保険料は「毎月違う」ということになります。

 

雇用保険料で気をつけたいのは、正社員よりもパートさんです。

 

雇用保険加入の条件は以下のようになっています。※2017年4月時点。その後の改正にはご注意ください。

 

31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること

 

1週間の所定労働時間が20時間以上であること

 

参照元:厚労省HP

 

最近、パートの時間を増やして総務の人から「雇用保険に加入になります。」と言われている人は、雇用保険料が発生するということです。

 

 

 

 

 

 

L所得税

 

所得税は個人の所得によって支払う税金のことですが、計算自体は1月〜12月までの1年間の所得に対していくらなのかという計算になります。

 

でも、毎月の給与で引かれているって不思議ですよね。

 

これは「だいたいの金額を毎月引いておいて、年末調整というイベントで正しく計算する」ということです。

 

じゃあその「だいたい」って何を見て確認すればいいの?ということですが、給与担当は「給与所得の源泉徴収税額表」という冊子をよく見ます。

 

国税庁のHPに必ずアップされていますので、どんなものか知りたいという方はご覧ください。
参考:国税庁HP

 

ここでも「変化」に気をつけましょう。

 

例えば奥さんを税扶養に入れたときなどは、所得税の額が少なくなる可能性があります。

 

ちゃんと手続きしてあることが前提なので、「自分や家族に何か変化があったら手続きすること」を徹底しましょう。

 

※ただし、16歳未満のお子様に関しては、税扶養に入れても所得税は変わりません。住民税は変わる「可能性」がありますが、正社員の夫ではなく、パートの妻の扶養に入れた方が安くなることがあります。

 

16歳未満のお子様でも所得税の額が少なくなる時代があったため、勘違いしている人が多いポイントです。※2017年4月時点

 

 

M住民税

 

住民税については前年の1〜12月の所得をもとに計算されていますので、今の所得がどうなのかは関係ありません。

 

※住民税についてはこちらもどうぞ

今さら人に聞けない常識すぎる住民税の話 

 

6月〜翌5月までは原則同じ額(例外あり)、12で割り切れない分はどこかの月で調整してあることが多いです。(自治体による

 

6月か7月の給与と同時期に、「これから1年間の住民税はこの額ですよ」という決定通知書を渡されるはずです。

 

この通知書の存在に気づいてすらいない人もいるので、確認してみてくださいね。

 

 

 

N積立金Oその他

 

積立金やその他は、各会社の規定によります。

 

入社時に自分が何を引かれるのか説明があったはずですが、説明を受けていないものが引かれている場合は、すぐに給与担当に問い合わせるようにしましょう。

 

 

 

 

合計欄は実際に支給される額に注目

 

最後は合計欄を見ていきます。

 

 

 
Pの銀行振込額と、Qの総支給額が違うのに気づきましたか?

 

もうお分かりでしょうが、ここまでご紹介した支給欄の合計が総支給額、そこから控除欄の合計であるS控除額合計を差し引いたものが差引支給額です。

 

総支給額−控除額合計=差引支給額

 

現金支給がなければ、差引支給額=銀行振込額となります。

 

これは、初めてお給料をもらう方などで「総支給額が振り込まれていない!」と驚く人がいるので気をつけてください。

 

実際にこの問い合わせを受けたことがあります。

 

合計欄は、とにかく実際に手元に入る額に注目してくださいね。

 

 

Rの非課税額3,500円は、この給与明細の場合は支給欄の通勤手当にあたります。

 

 

 

参考までに非課税になるものは

 

通勤手当のうち、一定金額以下のもの

 

転勤や出張などのための旅費のうち、通常必要と認められるもの

 

宿直や日直の手当のうち、一定金額以下のもの

 

現物給与など

 

などがあります。※参照元:国税庁HP

 

 

 

 

最後に

 

 

いかがでしたか?

 

今回は、給与担当として実務をやっていた中で、「ここは特に気を付けたい」という項目を指摘しながら、給与明細の全体像についても解説してきました。

 

できる限り分かりやすくを心がけたつもりですが、まだまだ説明が分かりにくい点があるかもしれません。

 

今後、項目ごとに詳しく解説をしていきたいと思っていますので、楽しみにしていてくださいね。

 

最後までお読みいただいた方は、お疲れのことだと思います。

 

でも、きっと「給与明細のことをちゃんと知ろう」という意識が高い方ですね。

 

お疲れ様でした&ありがとうございました!

 

 


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