住宅手当は何に気をつける?元給与担当者が教える住宅手当の注意点あれこれ

住宅手当は何に気をつける?元給与担当者が教える住宅手当の注意点あれこれ

 

 

会社に制度があるならぜひ申請したいのが住宅手当です。

 

しかし注意が必要な手当でもあるので、安易にもらえるものだと思わない方が良いことも...。

 

というわけで今回は、給与明細の中で「住宅手当」にスポットライトをあてていき、元給与担当として「住宅手当のここに気をつけよう」というお話をさせていただきます。

 

 

 

住宅手当の注意点です!

 

 

 

 

 

 

 

社会保険料は高くなる可能性があります

 

住宅手当はありがたい制度です。

 

基本給以外に支給されるものなので、手取りが増えて嬉しいですよね。

 

ただ、厳密には住宅手当の額分だけ手取りが増えるということではありません。

 

理由は、「社会保険料が高くなるケースがあるから」です。

 

社会保険料を決めるときには「標準報酬月額」というものが元になるのですが、その標準報酬月額に含まれるものには決まりがあります。

 

以下は日本年金機構のHPからの引用です。

 

厚生年金保険で標準報酬月額の対象となる報酬は、次のいずれかを満たすものです。

 

(ア)被保険者が自己の労働の対償として受けるものであること。

 

(イ)事業所から経常的かつ実質的に受けるもので、被保険者の通常の生計にあてられるもの。

※参照元:日本年金機構HP

 

健康保険料も厚生年金と同じ標準報酬月額表を使うので、あわせて社会保険料と考えてください。

 

で、(ア)は分かると思いますが、(イ)には何が含まれるのかというと、例えば通勤手当とか家族手当とかですね。本当にいろいろあります。

 

そして、住宅手当も含まれています

 

具体的にどれぐらい社会保険料が上がるのかは、住宅手当の額や報酬などが人によって違うので一概には言えませんが、例として以下のような計算をしてみました。

 

条件として、協会けんぽ静岡支部、H28.4月分、介護保険なし、基本給30万でその他は考慮しないとしています。

 

条件 健康保険料 厚生年金料 社会保険料合計
住宅手当なし 14,835円 26,742円 41,577円
住宅手当1万円 14,835円 26,742円 41,577円(0円)
住宅手当2万円 15,824円 28,524円 44,348円(2,771円)
住宅手当3万円 16,813円 30,307円 47,120円(5,543円)

 

合計欄のかっこ内は、住宅手当がない場合との差額です。

 

同じ基本給でも、住宅手当1万円なら社会保険料は同額、住宅手当が3万円だと5千円ちょっと社会保険料が高くなることがわかります。

 

住宅手当を3万円もらっていても、社会保険料の額が上がる分、実質的な手取りは約2万5千円のアップになるということですね。

 

ここは、「そうなんだー。」ぐらいに思っておいていただければと思います。

 

社会保険料を決めるもとになる「標準報酬月額表」というものは、報酬によってランクのようなものが決まっていて、その幅も一定ではありません。

 

標準報酬月額はその他さまざまな要素によって正式に決定されます。上記はあくまでも参考程度に思っておいてくださいね。

 

 

 

勤務してないともらえないこともあるから気をつけよう

 

どんな場合に住宅手当がもらえるのか、しつこいようですがそれは会社によって違います。

 

例えば要件として「実勤務日数が〇日以上あった月のみ支給」というものがあったとしましょう。

 

住宅手当は福利厚生の一環ですが、あくまでも「実際に働いてくれる従業員のための手当」と考える会社も当然あります。

 

そうなると、育休や病気・ケガなどで、会社に在籍はしているが労働はしていない場合など、住宅手当がもらえないことがあります。

 

また退職月にももらえないこともあります。

 

有休を全部消化してから退職するという人もいると思いますが、その場合に上記のような要件があったら、実勤務日がない月は住宅手当がでない可能性もでてきます。

 

私がいた会社はそうでした。

 

この場合に何が危険って、退職月はもろもろ引かれて給与自体が少ないことがあるということです。

 

こちらの記事

会社をやめるときに気を付けたいお金の話。最後の月の給与はほとんど手元に残らないよ! 

でもお伝えしましたが、退職月の給与って想像以上に少なくなるんですね。

 

そのうえ住宅手当をあてにしていて出ないとなったら、自分が思い描いていた退職後の生活が成り立たないということもあります

 

こんな風に、どんな場合にもらえて、どんな場合に支給がストップされてしまうのか、会社の給与規則をしっかりと確認しておきましょう。

 

 

 

 

住宅手当がもらえることを前提に家賃が高い場所に住むこと

 

 

住宅手当がもらえることを大前提として、本来の給与とは見合わない、高い家賃の場所に住んでしまうことがあります。

 

例えば3万円の住宅手当がでるし大丈夫と思って、本来なら5万円の家賃の場所に住むところが、8万円の家賃の場所を選んでしまうということです。

 

3万円家賃が違うと、住居のランクとしてはかなり違ってきますよね。

 

そして、あたかも自分の稼げる力がアップしたような気になって、生活水準そのものを上げてしまいたくなる人もいます。

 

そうすると前述したように休職中には住宅手当が出なかったり、退職してから家賃が払えなくなって慌てて引っ越すハメになるなど、ちょっぴり痛い目に合うかもしれません。

 

住居はあくまでも自分の基本給レベルに合ったところを選ぶ、これけっこう大事かなと思います。

 

例え住宅手当がもらえる会社に勤めていても。

 

住宅手当は基本給のように簡単に下げることができないものと違い、会社の要件次第ですぐにもらえなくなってしまうものだからです。

 

 

 

 

世帯主要件や収入要件があることが多い

 

社員なら住宅手当が誰でももらえるという会社は、そう多くはないと思います。

 

もちろんそういう素敵な会社もあるかもしれませんが、多くの会社では世帯主要件や収入要件を設けてあることがあります。

 

世帯主でないともらえない

 

配偶者より収入が多くないともらえない

 

といったようなことです。

 

私が実務をしていたときは、世帯主要件と収入要件の両方がありました。

 

なので、独身に比べて結婚している人は一気に要件が厳しくなります。

 

証拠として世帯全体の住民票と、同居親族の所得証明書を提出してもらっていました。

 

この説明をするとすごく嫌がる従業員の方もいたり、「なんで家族の所得証明まで提出しなくちゃいけないんだ!」って怒る人もいました。

 

でも、嫌ならば住宅手当を申請しなければ良いのです。

 

証拠の書類がなければ不正受給が増えてしまうから仕方がありません。

 

そう簡単にはお金はもらえないよって気持ちでいっぱいでした。

 

自社で手当があるとついつい当たり前にもらえるものと思いがちですが、毎月数万円ものお金をもらうって、それなりに大変なことなのです。

 

※住宅手当のトラブル事例はこちらの記事でも書いています。

住宅手当はトラブルの温床?管理人が経験した住宅手当トラブル事例4つ 

 

 

同棲の場合でももらえることがあるよ

 

では、同棲の場合はどうなのか?ということもお話させていただきます。

 

これも会社の基準によって異なります。

 

ネットなどを見ると同棲の場合はもらえないことが多いという情報もありましたが、私がいた会社では同棲はOKでした。

 

理由は同棲は結婚ではなくあくまでも「赤の他人だから」ということです。(冷た...

 

その代わり「結婚したら要件が変わるからちゃんと申請してね。」と釘をさしておきます。

 

ただし、同棲している相手も社員の場合は「ルームシェア」という形になり、家賃を払っている方に支給するか、二人同時に支給するなら、家賃の支払割合に応じて按分して手当額を決めていました。

 

「同棲だともらえないかも。」と不安に思っている方は、ぜひ担当者にその会社ではどういう取り扱いになっているのか聞いてみてくださいね。

 

可能性の問題ですが、もらえることもある、ということです。

 

 

 

 

持ち家の人はもらえないこともある?

 

 

住宅手当にもいろいろなタイプがあって、家賃を補助するタイプや、住宅ローンの返済分を補助してくれるタイプもあるそうです。

 

後者の制度がある会社は経験がありませんが、いずれもありがたい制度ですね。

 

ただ、一般的には家賃補助タイプが多いようですね。

 

人事院が行った「平成27年度職種別民間給与実態調査」によると、住宅手当の支給状況として借家・借間が93.2%、自宅(持ち家)が67.1%という結果でした。

 

参照元:平成27年 職種別民間給与実態調査

 

持ち家のローン返済補助よりも家賃補助タイプが多い理由としては、恐らく持ち家の場合は税金面での優遇がされていることにあると思います。

 

「住宅ローン控除」という言葉を聞いたことはないでしょうか?

 

正式には「住宅借入金等特別控除」といい、ローンの残高に応じて所得税が安くなるという制度です。かなりざっくりですが。

 

住宅ローン控除の詳細は国税庁HPをご覧ください。※参考:国税庁HP

 

持ち家を買ってローンがある人が要件を満たせば、基本的には10年の間この制度を利用できます。

 

持ち家の人と賃貸の人で毎月同じ住居費がかかっていたとしても、持ち家は税金が安くなり、賃貸の場合はそういうものはありません。

 

会社としても、「持ち家の人には税金の優遇制度があるよね。」ってことで、賃貸の場合にのみ住宅手当を支払うのかもしれません。

 

あくまでも推測なので他に理由があるのかもしれませんが...。

 

 

 

 

最後に

 

というわけで住宅手当について知っておきたいことは

 

社会保険料は高くなる可能性がある

 

勤務してないともらえないこともある

 

住宅手当がもらえることを前提に家賃が高い場所に住むことはリスクがある

 

世帯主要件や収入要件があることが多い

 

同棲の場合でももらえることがあるから聞いてみよう

 

持ち家の人はもらえないこともある

 

です。給与担当の経験から考えた注意点をまとめました。

 

繰り返しになりますが、住宅手当の要件や支給額は会社によって違うものです。

 

疑問点があれば必ず会社規定を確認するか担当者に聞くことが大切です。

 

会社の制度を知らずに専門家や他の会社で働いている人に相談しても話が進みませんので、一番近道の方法を取ってほしいなと思います。

 

以上、「住宅手当は何を気をつける?元給与担当者が教える住宅手当の注意点あれこれ」でした!

 

 


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