介護保険料は40歳以上で給与天引きされるよ。計算方法や仕組みを解説

介護保険料は40歳以上で給与天引きされるよ。計算方法や仕組みを解説


 ※この記事は2018/3/29に執筆しました。

 

「なんか最近、介護保険料が給料から引かれてるんだけど、間違ってない?俺の家介護なんてしてないんだけど...。」

 

「あの...。今おいくつですか?」

 

「40歳だけどなんで?」

 

この会話、わたしが以前事務のお仕事をしていたときに実際にあった会話です。

 

40歳以上になると介護保険料が引かれるという事実を知らない方、意外と多いです。

 

今回はそんな介護保険料のお話です。

 

 

 

 

 

※この記事で書いてあること

介護保険料とは一体なに?
介護保険料はいくら引かれるのか?
「40歳から引かれる」は具体的にいつから徴収される?
介護保険料は給与明細にどう反映される?
今後は年齢関係なく介護保険料を負担する可能性がある

 

 

 

 

 

介護保険料とは一体なに?

 

まずは、介護保険料は何かについてお話します。

 

介護保険料は、介護保険制度におけるサービス提供に必要な費用を賄うための保険料のこと。

 

介護保険制度とは、高齢によって介護が必要になった人たちを社会全体で支え合う制度です。

 

平成12年からの制度なのですでに歴史がありますが、現在中高年以上の方にとっては馴染みが薄いかもしれません。

 

 

 

 

 

介護保険被保険者について

 

介護保険の被保険者は「第1号被保険者」と「第2号被保険者」に分かれています。

 

ご自身がどちらに該当するか確認してみてください。

 

・第1号被保険者...65歳以上の人

 

・第2号被保険者...40歳以上65歳未満の人

 

※40歳未満の方は介護保険の被保険者ではありません。

 

第1号被保険者の介護保険料は、ご自身の年金から引かれているか、納付書や口座振替を利用して納付しているかのどちらかになります。

 

第2号被保険者の介護保険料は、会社の健康保険に加入している会社員は給料から、健康保険料とあわせて引かれます。

 

自営業やフリーランスなどは国民健康保険に加入しているはずなので、お住まいの自治体に国民健康保険料や国民健康保険税として納付することになります。

 

 

 

 

 

年金の被保険者とは別のもの

 

ここで、「第1号とか第2号とかどっかで聞いたことあるな。」と思う方がいるかもしれません。

 

年金にも「第1号被保険者」や「第2号被保険者」といった違いがあるからです。

 

しかし、介護保険における第1号被保険者や第2号被保険者とは別ものです。

 

たとえば、45歳自営業者の方は、国民年金第1号被保険者ですが、介護保険第2号被保険者です。

 

国民年金の第1号被保険者は、日本国内の20歳以上60歳未満の人なので自営業の方などもここに含まれますが、

 

介護保険における40歳以上65歳未満の方は介護保険の第2号被保険者だからです。

 

混同してしまう方は、とにかく制度が違うので別ものだと思っておいてもらえればいいと思います。

 

 

 

介護保険料は介護の有無は関係なく引かれる

 

冒頭の方のように、「我が家では介護はまだ関係ないのになぜ保険料を引かれるのか?」と感じることがあるかもしれません。

 

介護保険料は40歳以上になると引かれるもので、介護をしているかどうかは全く関係ありません。

 

なぜならさきほどお伝えしたとおり、介護保険制度とは、介護が必要な人を「社会全体で支える仕組み」だからです。

 

65歳以上の方たちが自分たちで払っている介護保険料や税金のほか、40歳〜64歳までの方が負担する介護保険料によって成立している制度なのです。

 

そして、今介護をしていない、介護されていない方でも、将来介護される立場になったとき、介護保険制度のおかげで介護サービスをたったの1割負担で利用できます。(収入によって一部の人は2割負担)

 

また、まだ第2号被保険者であっても(40歳以上65歳未満であっても)、加齢を原因とする一部の疾病で介護が必要になったときは、介護サービスを利用できます。

 

これなら、「我が家で介護はまだ関係ない」と思う方でも納得できるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

介護保険料はいくら引かれるのか?

 

 

ここから、介護保険料の計算方法のお話です。

 

介護保険料は一律ではありませんので、いくら引かれるかは、自分がどの立場にあるかによって異なります。

 

以下、3つの立場に分けて解説します。

 

1.介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)である会社員

 

2.介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)である自営業、フリーランス

 

3.介護保険第1号被保険者(65歳以上)

 

 

 

 

1.介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)である会社員

 

会社員の場合は給与や賞与の額によって保険料が異なります。

 

ここは、健康保険料の計算と同じ考え方をします。

 

・給与から引かれる介護保険料...標準報酬月額×介護保険料率

 

・賞与から引かれる介護保険料...標準賞与額×介護保険料率

 

標準報酬月額とは、報酬を計算しやすいようにざっくりと段階的に区別したものです。

 

「等級」と呼ばれるランクのようなものになっていて、報酬が高い人ほど引かれる保険料も多くなる仕組みです。

 

標準賞与額は、賞与を1,000円未満切り捨てしたものです。

 

ざっと、給与から引かれる介護保険料を計算してみます

 

たとえば、協会けんぽ東京(平成29年度)、介護保険料率1.65%、標準報酬月額30万円の場合で計算すると、介護保険料は4,950円です。

 

会社員は会社と折半なので、自己負担額は2,475円です。

 

負担が大きい健康保険料と比べると、介護保険料に関してはそこまで大きくないことがイメージできるかと思います。

 

参照:協会けんぽ

 

介護保険料率は、健康保険の保険者によって異なります。

 

保険者とは、協会けんぽの何支部なのか、あるいは健康保険組合なのかといったことです。

 

 

 

 

2.介護保険第2号被保険者(40歳以上65歳未満)である自営業、フリーランス

 

会社員以外の方は、自治体によって計算方法が異なります。

 

所得割、均等割、平等割、資産割などの項目を組み合わせ、前年の所得や資産に応じて保険料が変わってきます。

 

江戸川区のHPに計算ツールが掲載されていたので、参考までに世帯1人の45歳、自営業年収300万円を想定してざっくり計算してみました。

 

介護保険料の月額は4,637円という結果でした。

 

参照:江戸川区HP

 

お住まいの自治体のHPで計算ツールがあれば、ざっくりとは予想できるかと思いますが、正式には個別に問い合わせるか決定を待つしか分かりません。

 

 

 

 

3.介護保険第1号被保険者(65歳以上)

 

65歳以上の方についても、自治体ごとに、所得がいくらかによって介護保険料が異なります。

 

さきほどの江戸川区で言うと、本人が住民税課税者、年間所得120万円以上190万円未満の場合、介護保険料は年額で76,440円でした。

 

月額6,370円です。

 

参照:江戸川区HP

 

 

 

 

 

「40歳から引かれる」は具体的にいつから徴収される?

 

介護保険料が引かれる40歳とは、「満40歳に達したとき」で、具体的には40歳の誕生日の前日」を指します。

 

4/1に40歳になる方を例にあげて説明します。

 

【例1:4/1生まれの方】

 

誕生日の前日は3/31ですね。

 

この場合、「満40歳に達したとき」はまだ3月なので、3月分の介護保険料から徴収されることになります。

 

一般的には、会社勤めの方は翌月の給与で前月分の健康保険料(介護保険料含む)が引かれることが多いので、4月の給与明細を見ると介護保険料の欄に数字が入っているはずです。

 

 

【例2:4/2生まれの方】

 

次に、4/2に40歳になる方の場合。

 

誕生日の前日は4/1ですね。

 

この場合は4月分の介護保険料から徴収されます。

 

会社員の方は5月の給与明細を見ると初めて介護保険料が引かれることが多いかと思います。

 

このように、1日誕生日が違うだけで、いつから介護保険料が引かれるかが変わってきます。

 

 

 

 

 

介護保険料はいつまで徴収されるのか?

 

「いつまで」の概念も、徴収開始と同じ考え方をします。

 

「満65歳に達したとき」から、第2号被保険者としては徴収されなくなるわけですが、「満65歳に達したとき」とは、「65歳の誕生日の前日」を指します。

 

4/1に65歳になる方は、誕生日の前日である3/31が属する月である3月分から徴収されなくなります。

 

健康保険料が翌月徴収の会社にお勤めの方は、4月の給与明細から発生しなくなります。

 

4/2に65歳になる方は、誕生日の前日は4/1なので、4月分から徴収されなくなります。

 

健康保険料が翌月徴収の会社にお勤めの方は、5月の給与明細から発生しなくなります。

 

 

 

 

 

第2号被保険者から第1号被保険者になる

 

では、65歳になれば介護保険料の納付から解放されるのかというと、そうではありませんね。

 

さきほど、介護保険には第1号被保険者と第2号被保険者があるとお伝えしました。

 

つまり、65歳になると介護保険の第2号被保険者から第1号被保険者に切り替わるため、結局は介護保険料を支払うことになります。

 

ただ、前述したとおり計算方法が変わるため、金額も変わってきます。

 

 

 

 

65歳以上で会社員の人はどうなる?

 

65歳以上も引き続き会社員として働く場合、健康保険料や介護保険料はどうなるのでしょうか。

 

健康保険料については、75歳までは会社の健康保険に加入できますので引き続き給与から引かれます。

 

しかし、介護保険料に関しては65歳になると第1号被保険者となり、給与天引きができなくなります。

 

年金があれば年金から天引きになりますが、すぐに手続きができるわけではないので、まずは自治体から納付書などが送られてくることになります。

 

介護保険料は健康保険料とあわせて徴収されていたのに、65歳になると納付先が変わるのはややこしいですね。

 

 

 

 

 

介護保険料は給与明細にどう反映される?

 

これは、会社の給与明細がどんな項目を採用しているかによって異なります。

 

わたしがこれまで勤務していた会社では「健康保険料」と「介護保険料」の項目が分かれている給与明細を使っていました。

 

これが一番分かりやすいので、多くの会社では介護保険料欄を設けているのではないかと思います。

 

ただ、介護保険料は健康保険料の一種として、「健康保険料」の項目の中であわせて引かれている給与明細もあるかもしれません。

 

40歳を過ぎて健康保険料が増えた気がする方は、内訳の介護保険料が理由かもしれません。

 

不思議に思ったら事務担当の方に聞いてみるといいですね。

 

 

 

 

 

 

今後は年齢関係なく介護保険料を負担する可能性がある

 

ここまで、現在の介護保険料の仕組みについて紹介しました。

 

現状は40歳以上になると介護保険料を負担することになっていますが、実は今後は年齢関係なく介護保険料が発生する可能性があります。

 

高齢化社会の日本では、介護保険サービスにまつわる給付は膨れ上がる一方で、2025年には約20兆になる見込みだそうです。

 

今のままだと介護保険制度自体が成り立たないため、どこかの保険料負担を増やす必要があります。

 

実際、介護サービス利用者の自己負担額が1割ではなく3割になる、保険料負担者が40歳以上ではなく所得がある人全員に拡大する、といった話が本格的にでてきています。

 

負担が増えることは痛手ですが仕方がないですね。

 

 

 

 

 

最後に

 

いかがでしたか?

 

今回は介護保険料についてのお話でした。

 

40歳までまだまだ先だという方にとっても、関係のない話とはいかなそうです。

 

老後に介護が必要になったときも、今のように1割負担で介護サービスを利用できるわけではなさそうです。

 

老後を見越して自力で貯めておく必要もあるでしょう。

 

以上「介護保険料は40歳以上で給与天引きされるよ。計算方法や仕組みを解説」でした!

 

 


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